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ASBESTOSアスベスト含有建材を使用した建物解体工事について

建物を解体する時、工法及び処理費用が加味され解体費用を大きく左右するのが「アスベスト」です。
アスベストが含有された建物は解体費用がその分高くなります。
しかし、アスベストにはレベルがあり、そのレベルによっても費用は変わってくるのです。
解体を依頼する上では、アスベストについて理解しておくことが必要です。

アスベストとは?

アスベストとは天然に採取される鉱物の一種で、石でありながら軽い綿状の性質を持つことから、石綿(せきめん、いしわた)とも呼ばれています。
耐火性・断熱性・電気絶縁性に優れていて比較的安価であったことから、一時期は住宅を建築する際に非常に重宝されました。
国内では断熱材、防音材、保温材、屋根材、壁・天井材などとして広く使用されています。

アスベストはどんな所に使用されているの?

アスベスト含有成形板は、その多くが2004年まで製造されていました。
1980年代まで製造されていた吹付けアスベストと比較して、ごく最近まで使用されていたという点で注意が必要です。

アスベスト成形板の表

アスベストの危険性

アスベストは安価な上に効果が得られるため、以前は住宅をはじめとするさまざまな建築物に使用されていました。
しかし空中に飛散したアスベストの石綿繊維を長期間吸い込んでいると咳や呼吸困難などの症状があらわれ、やがては肺がんなどの重大な健康被害を引き起こすことが明らかになりました。

アスベストによる健康被害はすぐには症状があらわれず、15年以上の潜伏期間を経て発症するので、サイレントキラーとも呼ばれています。
そのようなことからアスベストの使用を控えるようになり、2006年以降に建てられた建物については、アスベストの使用が法律で厳しく制限されるようになりました。すでにアスベストが使用されている建築物の解体作業や改修工事を行う場合にも、「大気汚染防止法」などの法令や各地方自治体の条例に基づき、適切な処理を行う必要があります。

厚生労働省-石綿パンフレット等石綿パンフレット等 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

アスベストの危険レベル

アスベストが含まれている建物の解体工事を安全に行うため、国土交通省によってアスベストの危険性はレベル1〜3に分けられています。
アスベストを含有した建物の発じんの度合いによって分けられていて、そのレベルに合わせた解体作業を行う必要があります。

アスベストの危険レベル

【事前調査も必須】アスベスト含有材を使用した建物解体の流れ

①事前調査

アスベストを含む建物を解体する際には、解体業者による事前調査が必要です。
解体業者は図面による調査や現地調査を行い、発注者に書面で報告します。
目視調査で完了しない場合には、サンプルを採取してアスベストの含有量について分析をします。
分析により含有率が0.1%を超えていると判断されると、規制対象となります。

 ②必要書類の提出

前述した危険レベルに合わせて、必要書類を事前に各都道府県に提出します。
届出の種類ごとの届出先や期日は、以下のとおりです。

アスベストの危険レベル

③近隣への挨拶など工事の告知

各書類が受理され解体工事を行うことになったら、近隣への挨拶などの着工前準備などが必要になります。
苦情などの近隣トラブルを避けるためにも、近隣へのあいさつは必ず行うようにしましょう。
スムーズに工事を進めていくためには、業者の担当者と一緒に近隣をまわり、アスベストの危険性や工事に関して理解してもらうことが大切です。
同時に、工事内容を知らせる掲示物の設置も行いましょう。

④着工前準備

場合によっては、建物の周りに足場を組むこともあります。
作業部付近の湿潤化を行うために、水や飛散防止剤を撒くなどの準備も行います。
また、着工前に水道やガス、電気、電話の配線の撤去の手配も行うようにしましょう。

⑤物件の解体工事

まずはアスベストを含んでいる部分を残して、建物内部の物をすべて撤去して建物内に何もない状態にします。
養生シートなどを使用してアスベストが周囲に飛散することを防ぎながら、除去作業を行っていきます。
木造一戸建の解体の場合には、レベル3建材に該当することが多いため、アスベストが含有している外壁などは飛散防止のために湿潤化させた上で取り壊すことが多いです。
除去したアスベスト含有建材は、しっかりと密封され、内容物がわかるよう明記された状態で廃棄されることになっています。

⑥土地の確認と整地

解体作業が終わったら、廃棄物が残っていないか確認が行われ、敷地内が平らに整地されます。

アスベスト含有材を使用した建物解体の費用相場

除去費用は解体業者によって異なりますが、国土交通省のホームページによると処理する面積によって下記のような処理単価が目安となります。

処理単価の目安表

アスベストの危険レベル、天井や屋根材、外壁など、除去する箇所によっても費用は異なります。
また、民間建築物の場合は国による補助金制度があります。
場合によってはアスベストの有無を確認する調査段階から、補助金の対象としている地方自治体もありますので、事前に確認しましょう。
ただし、地方自治体によって補助金制度の有無は異なりますので、不明な場合は地方公共団体の担当部局に相談してみてください。
愛知県-アスベスト(石綿)情報 アスベスト(石綿)情報 – 愛知県 (pref.aichi.jp)
岐阜県-アスベストについてアスベストについて – 岐阜県公式ホームページ(建築指導課) (gifu.lg.jp)